『想像を超えて』 2020/01/24 Second Rooms(京都)

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こんにちは。自作自演歌手のヨシミチアキです。

回を追うごとにガチみがマシていくSecond Roomsのブッキングですが、

今回はそうそうたる出演者に混じっての、オープニング・アクト!

挙動不審になるくらいの緊張の中必死でやって参りました……。

目次

動画

詳細

タイトル:想像を超えて

日付:2020/01/24(金)

場所:Second Rooms(京都)

出演(敬称略):第九♭  松尾湧佑  キタN(than) paya みぞたちか

曲目

  1. 阿頼耶の鳥
  2. 祈りの炎

所感

payaさんはフォーキーさと都会的な空気が混ざりあった不思議な世界観。真夜中の散歩っぽさ。

チップチューン風のサウンドと、古い音声のサンプリングも面白かったなあ。


松尾湧佑さんはねえ、ドロッドロに疲れて、「お風呂いかなあかんのになあ……」と思いつつ、30分くらい寝落ちしたときに見る夢みたい。

身体がずーんと沈み込んでいく。『電氣ブラン』の音と言葉のシンクロがすごく気持ちよかった。

 

第九♭、というプロジェクト名で活動されている、菜葉さん。

薄暗い森の中に差す光と、梢を揺らす風の音と土の匂いがした。ZABADAK好きなひとはハマるんじゃないか。

当面活動休止されるということですが……

 

みぞたちかさんは、活弁だと思った。事件! とかいってるのも活動写真って感じだものねえ。

足を踏み鳴らすのがなんかこう、魔術的なものも感じて、それを身体の欲求からやっているであろう所が凄いなあ。大地に繋がって生きていらっしゃる。

子供の頃に図書館で借りてきた本を袋から出して「どれ読もうかなあ」ってワクワクしてた気持ちを思い出しました。

「えっ、まだいま泣くような所違うやろ?」と思うところから涙腺がじわーっと緩んできてしまうのもふしぎで、頭で理解するよりも先に心に入ってきちゃう感じがした。これは魔法なのでは。

 

キタNは、筆舌に尽くしがたいので無理に尽くさない。IQ1くらいの感想しかかけない。

 

すごかった。

 

キタさんの声は狭い幅で細かく振動してて、まっすぐ飛んでくるみたいな、民謡的な声なんだよね。西洋音楽の空間いっぱいに響かせるのとは違う。音階から解き放たれた感じもそうだよなあ。楽曲の根底に大きなうねりを感じるのも日本的。

 


全編通して、ああ、音楽ってこういうのだよなあ、と。

ジャンルとか譜面上のメロディとかそんなのは便宜的なもの、後付の意味であって、まずは肉体から湧き上がる表現なんだよなあと。自分はまだ頭の先と決まりごとのなかでチョコチョコやってるだけだなー。

 

ライブがアツすぎて食べてた焼きカレー冷めたわ。


語り部さん、初期のテーマに戻って難しめのことを語ってましたが、今回の会場にいた方ならすっと理解してくださったのでは。

年明けに能楽師の安田登さんの『あわいの力』という本を読んでて、日本語の持つ力とか肉体的な感覚の大切さといった内容に影響されたんですが、不思議と他の出演者さんも肉体と精神の関わりについて感心を持ってる人が揃ってたなあ。事前に詳しく調べてたわけじゃないんですよ。

語り部さんの仕込みしてると、なんか受信してることがあるんですよね……。

 

いつもは最後の曲が終わった時に「さあ、現にお戻りを」といってて、あれはあれで意図があるんですが、今回はイベントタイトルにひっかけて「現に戻ることなく」といってみました。

まあ、聴かせどころでトチったんですけどね! ショック!

 

でも終わったあとにNさんに「すごく良かったです」って言っていただいたり、みぞたさんに「ああいうの好きです」って言っていただいたり、内心くぁwせdrftgyふじこlpってなってまして気の利いたことも返せなかったのですが、オープニング・アクトとしての務めは果たせていたのかなと胸をなでおろしています。

出演前は相当顔が死んでいたらしく、木村さんにまで心配される始末でございました。

「めっちゃお腹痛そうな顔してた」っていわれたし・笑

 

川上さんと話してるときも「あざます……泣きそうです……」とか出涸らしみたいな返事しかしてないんですけど、いま思い出すとスフレパンケーキに山のようなホイップとフルーツ乗せてメープルシロップをグリグリかけたうえにアイス添えたようなことをいわれてたのに気づき、悶絶しておりますです。ぴえん。

「人柄が素敵で来てほしいのもあるけど、やっぱり曲が好きなんですよ」なんて、まっすぐ目を見ていわれるとめちゃくちゃ照れるな!! 知ってたけど!!笑

 

川上さんの言葉には力を貰ってるし、魔法を感じるよ。

特にそんなすごいこといってくれるわけじゃないし、今まで他の人にも同じようなこといわれたりもしてたけど、質が違うんだよね。

新曲の歌詞をきちんと聞き取ってくれてたり、楽曲を大切にしたPAしてくれたり、何か連絡してくるときにも一言添えてくれるとか、そういう態度に真摯さが現れてるからっていうのもあるけど。

なんかでも、あの天衣無縫さで「あなたにはできます!」と断言されてしまうと、「どうやら、私にはできてしまうらしいな……?」と思えてしまう何かがあるんだよねえ……。

 

しっかしねえ、2018年9月17日の尼崎toraでthanを見てた私に教えてあげたい、「あんた一年四ヶ月後に同じ舞台踏めるで!」と。

「は? こんなクソみたいな弾き語りしとってどうやって? あほいうてなよ!」(口悪いわ)っていいそうだけど。

 

あの時の私はこんな展開何一つ想像してなかったけど、私のライブを見て本心から感動してくれた人、私のこれからを夢見てくれる川上さんはじめお付き合いのあるハコのブッカーさん、彼らの思いの力のお陰だなあと思ったよ。

 

語り部さんなら、ニヤッと笑ってこんな言葉を引用するんじゃないかな。

 

“人間が想像できることは、人間が必ず実現できる”

――ジュール・ヴェルヌ

 

イベントに関わった皆様、これを読んでくれた方、ありがとうございます。

また別の記事でお会いしましょう!